4. 視覚障害者を取り巻く支援サービス体制

視覚障害者が社会生活を営むためには、多くの支援体制が必要である。大きく分けると、施設体系、障害者団体、在宅支援体制、盲導犬事業、ボランティア活動、補装具・日常生活用具給付事業などの支援体制である。また、教育の領域では盲学校や弱視学級がある。

(1)施設体系
視覚障害者を取り巻く施設サービスは、更生施設、生活施設、 作業施設、地域利用施設に分かれている。ここで用いられている身体障害とは、肢体不自由、視覚障害、聴覚・言語障害、内部障害を指す。したがって、視覚障害は、身体障害の中に包含されている。

更生施設は、視覚障害者更生施設と重度身体障害者更生施設がある。視覚障害者更生施設は、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師の職業訓練あるいは生活訓練を実施する訓練施設である。重度身体障害者更生援護施設は、重度の視覚障害者が生活自立を目標に訓練する施設である。

生活施設は、身体障害者療護施設と身体障害者福祉ホームがある。身体障害者療護施設は、実態的には、常時介護を必要とする視覚障害を併せ持つ重複障害者を医学的に管理のもとに必要な保護を行う施設である。身体障害者福祉ホームは、家庭生活において日常生活を営むのに支障のある身体障害者が自立した生活を営む施設である。

作業施設は、身体障害者授産施設、重度身体障害者授産施設、身体障害者適所授産施設などがある。身体障害者授産施設は、一般企業への雇用が困難な障害者に対して、必要な訓練を行い、職業を与えて自立させる施設である。重度身体障害者授産施設は、重度の身体障害のため、ある程度の作業能力をもっているが、特別な設備と職員を準備しなければ、就業不可能な障害者に対して、施設内で自活させる施設である。身体障害者適所授産施設は、身体障害者授産施設と同じであるが、適所して自立することに限られる。

地域利用施設は、身体障害者福祉センター(A型)、身体障害者福祉センター(B型)、身体障害者デイサービスセンター、障害者更生センター、点字図書館、点字出版施設、盲人ホームなどがある。身体障害者福祉センター(A型)は、各種の相談に応じるとともに、健康の増進、教養の向上、スポーツ、レクリエーションなど保健・休養のための施設である。身体障害者福祉センター(B型)は、外出や就労の機会が得られない在宅の重度障害者が通所して、創作活動、軽作業、日常生活訓練などを行う施設である。身体障害者デイサービスセンターは、身体障害者のデイサービスを行う施設である。障害者更生センターは、障害者、家族、ボラティアなどが気軽に宿泊、休養する施設である。点字図書館は、視覚障害者のニーズに応じて点字刊行物やテープ録音図書の閲覧貸し出しを行う施設である。点字出版施設は、点字刊行物を出版する施設である。盲人ホームは、あんま・マッサージ・指圧、はり、きゅうなどの視覚障害者の職業生活の便宜を図るために施設を利用させ、技術の指導を行う施設である。

(2)障害者団体
視覚障害者の団体は、視覚障害者自身が運営し、視覚障害者のために、相談、職業生活の援助などを行う。全国の都道府県に一カ所ある。また、視覚障害者自身が会員となり、日本盲人会連合を各都道府県に設置している。現在、その会員は、約5万人いる。この会は、視覚障害者の相互交流や視覚障害者への行政サービスの要望をまとめている。

(3)在宅支援体制
在宅の視覚障害者に対する支援は、厚生省が推進しているところである。国の企画・立案した施策を地方自治体が実施するようになっている。視覚障害者が地域で快適に生活できるように企画・立案されている。ホームヘルパー派遣事業は、重度の身体障害などのために、日常生活を営むのに支障がある身体障害者の家庭などを訪問して、家事や介護並びに外出時の付き添いなどを行う。ガイドヘルパー派遣事業は、視覚障害者が外出するのに単独で移動できない場合、手引き歩行によって外出できるようにする。生活訓練事業は、視覚障害者が生活自立のために、歩行訓練、日常生活訓練などを受けられるようにする。

(4)盲導犬事業
盲導犬は視覚障害者の移動手段の一つとして考えられており、全国に8ケ所の国が認可した盲導犬訓練センターがある。現在、約800頭の盲導犬が視覚障害者に利用されている。

(5)ボランティア活動
ボランティアの活動は、視覚障害者が生活を営む上で重要なものである。地方自治体の各都道府県市にある社会福祉協議会で、ボランティアの養成やコーディネイトを行っている。この社会福祉協議会は、全国的な組織をもち、協議会の運営を円滑にしている。また、日本赤十字奉仕団は、さまざまな行事への参加、点訳奉仕、朗読奉仕などのボランティア活動を推進している。

(6)補装具・日常生活用具給付事業
政府は、視覚障害者が生活を営む上で必要になる補装具や日常生活用具の給付を行っている。
身体障害者福祉法に基づく視覚障害者に対して(身体障害者手帳所持者)、補装具として、白杖、義眼、眼鏡、点字器が給付される。日常生活用具として、盲人用テープレコーダー、時計、タイムスイッチ、カナタイプライター、点字タイプライター、電卓、電磁調理器、音声式体温計、杵、点字図書、体重計、拡大読書器がある。これらの給付については、所得により、自己負担金を支払う場合がある。

(7)教育におけるサービス
18歳以下の視覚障害児に対しては、文部省が各都道府県に最低一カ所の盲学校を設置し、特殊教育を実施している。さらに、普通の小学校、中学校においては、必要に応じて弱視学級を設置しているところもある。
高等教育を受けたい視覚障害者に対しては、通常の大学に入学する機会がある。
さらに、視覚障害者の伝統的な職業であるあんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師の職業訓練を行う専門の教官の養成課程も設置されている。この養成課程は、視覚障害者だけが入学できるようになっている。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

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