1. 視覚障害者のリハビリテーションの領域

視覚障害者のリハビリテーションの理念と定義に対応して、視覚障害者にどのようにサービスを実施すべきか。この間いに答えることが、視覚障害のリハビリテーションの体系を作り上げることである。また、リハ体系を考えるとき、リハビリテーション・プロセスに十分に配慮しなければならない。

視覚障害者のリハビリテーションには、それぞれの専門分野を背景にした領域がある。それぞれの専門分野は、現在、医学的リハビリテーション、社会的リハビリテーション、心理的リハビリテーション、職業的リハビリテーションの領域がある。これらの領域は、それぞれリハビリテーション・プロセスに対応した責務を担っている。

医学的リハビリテーションは、視覚障害のリハの意味からして、医療の領域のスタッフが直接リハビリテーションに携わることはほとんどない。しかしながら、医療のスタッフがリハビリテーションにまったく関係ないと考えるのは早計である。なぜなら、医療のシステムにおいては、補装具の処方をするときに眼科医の処方箋が必要になってくる。

医学的なケアは、当然眼科医の領域であるが、眼科医は失明の告知というきわめて重要な任務を背負っている。その意味するところは、リハビリテーションの出発点を明らかにすることである。そこで、眼科医の関わりは、失明の告知、眼科的な情報を専門職に提供すること、視覚管理、遺伝相談、医療から訓練施設への橋渡しなどである。ここでの医療スタッフは、眼科医、視能訓練士、看護婦である。

社会的リハビリテーションは、ソーシャル・ケースワーカーが中心になって行う。ソーシャル・ケースワーカーは、視覚障害者のリハビリテーション・ プログラムの策定、家族調整、社会資源の活用の援助、専門職員間のコーディネート、視覚障害者との相談、コミュニティ ・オーガニゼーションなどである。したがって、ソーシャル・ケースワーカーは、医療の段階から視覚障害者にアプローチすることもある。社会的リハビリテーションのもうひとつの側面は、生活自立の訓練プログラムである。この生活訓練は、生活訓練専門職員が行う。このプログラムは、視覚障害者の地域での生活自立を目指すものである。

心理的リハビリテーションは、視覚障害者の心理的適応を図ることにある。中途視覚障害者は、視覚障害によって、精神的な打撃を受けており、生活自立に対して消極的になったり、生活訓練の途中で挫折したりして視覚障害者自身のリハビリテーション・ゴールから逸脱することが多い。心理専門職は、これらの視覚障害者に対して心理指導を行い、リハビリテーション・ ゴールを目指す視覚障害者を援助する必要がある。職業的リハビリテーションは、職業自立を意図するもので、視覚障害者の職業能力の獲得と職業態度の形成を指導する。歴史的な経過があるけれども、現在の視覚障害者の職業訓練は、理療師養成、コンピュータプログラマー、電話交換手などのごく限られた職種の訓練が行われている。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

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