症例4

xx xx    56歳 男 農業
診断名   脳梗塞
障害名   右片麻痺
合併症   高血圧

現病歴   10年前から高血圧を指摘されていたが,未治療であった,1997年10月14日突然, 右半身のしびれと筋力低下を自覚した。救急病院を受診,症状と頭部MRIで左放線冠に小梗塞が 検出されたため脳梗塞の診断で入院した。MRIでは,さらに両側大脳白質,大脳基底核に複数の ラクナが検出された。意識清明であり,入院後数日で食事を開始した。10月31日リハビリテーションのために当院に入院した。

入院時現症 血圧160/80 mmHg,胸腹部には異常所見なし。神経学的には,意識清明で高次脳機能障害なし,運動失調を認めず。顔面を含む右半身の不全麻痺と軽度の感覚障害を認めた。

検査成績  血液,尿に異常を誇めず。心電図,胸部X線は正常範囲であった。

初期評価  MOAは11,患側上肢のMFSは50であった。WAIS~Rは言語性IQ61,動作性IQ88,全検査IQ74であった。HDS-Rは26, BIは70であり,入浴とベッドから車椅子への移乗に介助を必要とした。歩行は困難であった。

問題点   高血圧はあるものの。ラクナ梗塞であり麻痺も軽度であることから早期の機能回復が期待された。

治療計画とゴール設定  RES-4によると3か月の時点で,:VIOAは27, MFSは72, BIは100 になると予測された。患者は,屋内歩行が可能になり,基本的ADLは自立し,自宅の畑で多少の作業が可能になると予想された。

経過   理学療法と作業療法が処方された。患者はできるだけ早急に回復し,もとの仕事に戻ることを渇望し,心理的に不安を抱いた。さらに,再発を恐れ,うつ状態におちいり,訓練に集中することができなくなった。これに対し,抗うつ薬が処方された。また主治医,訓練スタッフが繰り返して,RES-4で予測される機能的予後について説明を行った。これらの対応によって, 患者は再び訓練に戻り, 1か月半後には積極的に訓練を行うことができるようになった。

最終評価  3か月後,MOAは21でまだ予測より若干低い値にとどまっていた。MFSは69 で予測に近い値であった。しかし,4か月後にはMOAも27になり3か月時点の予測されたMOAと一致した。階段昇降に多少困難があったが,自宅周辺での歩行は自由になった。

帰結   4か月の医学的リハビリテーションの後,在宅生活に戻ることができた。

小括   患者の片麻痺は軽度であったが,不安やうつのために訓練に集中することができなかった。RES-4にもとづく機能的予後を繰り返し説明することが、患者の心理的状態を改善する のに有効であった。心理的に安定した後は,患者の回復経過は予測に合致した。患者の不安やうつがラクナに関連する器質的なものであるのか,身体的な能力低下や関連する社会経済的問題に対する心理的反応であるのかは明らかでなかった。

投稿日:1999年3月31日 更新日:

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