症例3

XX XX  74歳 男 開業医
診断名  脳梗塞(脳幹部)
障害名  右片麻痺,構音障害
合併症  高血圧,糖尿病

現病歴  1994年12月4日右下肢脱力で発症,構音障害も出現し,3時間後には歩行不能と なった。救急車で某病院入院し、MRIで脳幹部梗塞と診断された。意識は清明であった。抗血小板薬を投与されたが,2週後のCAGで内頸動脈—眼動脈分岐部に未破裂動脈瘤が見つかり,中止された。リハビリテーションは1週後から開始。左手で経口摂取可能,歩行訓練を開始した段階で,1995年1月19日当院に転入院した。

入院時現症  身長170cm,体重63 kg,血圧102/53 mmHg,脈拍68/分整。心肺腹部に異常所見なし。神経学的には構音障害,右不全片麻痺(プルンストローム・ステージは上肢5,手指5。下肢5),右半身の軽度の表在・深部感覚鈍麻と軽度の体幹失調を誇めた。

検査所見   心電図,胸部X線では異常なし。1.600 Calの食事療法だけで,空腹時血糖102 mg/ dlと糖尿病もコントロール良好であった。

入院時評価  体幹下肢運動機能は,MOA26,10m最大歩行速度19.8m/分。上肢機能はMFS 右69,左94であった。病棟では,食事が自立し,排泄,更衣,整容は部分介助,入浴は全介助,BI40であった。知的機能は,言語性IQ 103.動作性lQ 110,全検査IQ110、HDS-R 27であった。

治療計画とゴール設定  RESの予後予測では, 3か月後にはMOA 38, MFS 85で屋外歩行が自立し,右上肢機能もある程度実用化可能となることが見込まれたが,Bl 79と日常生活活動の完全自立は困難と予測された。屋外歩行の自立と,ADLの向上を目標とし,AFOを装着し ての歩行訓練,右上肢機能回復訓練,構音障害に対する指折り法による発声訓練を開始した。

経過    入院後1か月間の機能回復は予測を上回り,特にADLは入浴を除いて自立し,BIは40から90へと向上した。

最終評価  MOA 41, 10m最大歩行速度は66.8m/分となり,屋外歩行も実用的となった。 MFSは84まで回復し,箸の使用,書字も可能となった。ADLは入浴も自立し、階段昇降に監視を要する以外自立し,BI 95となった。構音障害も,指折りをしなくても会話速度の調整ができるようになり,実用的なレベルまで回復した。

帰結    発症から4.5か月,入院から3か月で自宅へ退院となった。

小括    回復が予測を上回った症例である。入院当初のBIが低かった原因として,覚醒度の低下があったこと,前医ではADL訓練がほとんど行われず,家人の付き添いが続いたため本人の依存度が高かったことが挙げられる。これらの改善と運動失調の減少がみられたことがBl の改善に影響したと推定される。

投稿日:1999年3月31日 更新日:

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