[3]誰の回復がもっとも予測できるか

患側上肢の典型的な運動回復を示す患者の特徴を明らかにすることを試みた(Nakamuraetal.1992).1989年1月から1991年5月までに脳卒中患者239名が東北大学医学部附属病院鳴子分院に入院した.患者の人口学的変数,神経学的機能障害,特定時期の機能的状態がデータベース(RES)に収録された.これら患者のうち174名(72.8%)を以下の基準にしたがって調査対象とした:(1)患者は作業療法士の指示にしたがうことができた,(2)MFT-S回復プロフィールに基づく訓練プログラム(森山・他1990a)が8週間以上継続できた,(3)入院前あるいは入院時にCT検査が行われた.通常.MFTは毎週1臥8週以上にわたって行われた.TSOをⅩ.MFSをyとして,各患者の8週の6-9データを用いて.双曲線関数y=A-B/Ⅹに対して最小2乗法による適合を行い,パラメータA,Bを求めた.患者を有意な近似の得られた群と得られなかった群とに分け,前者を適合艶 後者を不適合群とした.図7は,適合群と不適合群の患者におけるTSOとMFSとの関係である.

8週のあいだに各患者ごとに6-10データがRESに収録された.適合群は125名(71.8%)であった.表5に両群の人口学的変数,神経学的機能障害を示す.不適合群と比較して、適合群は年齢が若く,TSOが短い.失語のない患者数に対する失語のある患者数の割合は不適合群で有意に高い.直腸膀胱障害のない患者数に対する直腸勝胱障害のある患者数の割合も不適合群で高い.WAIS-IQは適合群が明らかに高い.

作業療法開始時と8遇後のMFS.その間のMFS利得は適合群が高い(表6).表7にCT所見を示す.前頭葉に病変のない患者数に対する病変のある患者数の割合は.不適合群と比べて適合群で有意に低い(p<0.01),適合群では,前頭葉以外の皮質病変がない患者数は,前頭葉以外の皮質病変がある患者数と比べて,有意に少ない(p<0.01).これらの所見は、九一IFSの回復過程は皮質病変のない患者で典型的であり,予測可能であることを示唆している.

適合群の患者125名のデータを用いて,入院時の年齢.TSO,患側握力,MFSを独立変数とした逐次重回帰分析によって.双曲線関数のパラメータA、Bおよびの2B/A(MFSがA/2に達する時期)の決定困を求めた.その結果、

(1)パラメータAの決定困は年齢、TSO、患側握力およびMFS(R2=0.59)
(2)パラメータBの決定困はTSO(R2=0.62)
(3)2B/Aの決定困はTSOとMFS(R2=O.84)

であった.

投稿日:2000年3月31日 更新日:

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