6.インテグレーション

ー般にインテグレーションとは、障害児を一般の学校で教育することをいう。しかしながら、難聴児は健聴者め家族にも生まれ、また地域にはたくさんの聞こえる人がいる。聞こえる人と聞こえにくい人は共に生活することが自然であり、当然であり、社会的な事実でもある。その場合、聞こえる人は聞こえにくい世界を、聞こえにくい人は聞こえる世界のことを知り、理解しなければならない。従ってインテグレーションは両者の相互理解に基づく融和であり、調整といえる。難聴児が生まれた家族は、まずは家庭で相互にインテグレーションする必要がある。そのような考えから金山(1991)10)は次のように段階的にインテグレーションを捉えている。

① ホームインテグレーション(乳幼児期)
② スクールインテグレーション(学校教育期)
③ ソーシャルインテグレーション(社会人としての成人期)

<難聴児の仲間作り>

しかしながらこのようなインテグレーションを実現していくときに考えなければならないのは、小数者としての難聴児の存在である。圧倒的多数の聞こえる人の中で、難聴児は多くの精神的な負担を被っている。

情報の欠落やコミュニケーションの困難さから、疎外感や孤立感をもつことも多い。そのためにも難聴児には、同じ障害をもつ仲間のいる場をつくることが重要である。日本では、乳幼児の指導機関や地域で親の会をもち、いろいろな活動をしている。こどもが小さいうちは、親子一緒に集まり、交流する。その中で子供達は同じ難聴をもっ友人をみつけていく。また年長の難聴児や大人の難聴者に出会うことで、自分の未来についてのモデルをもてるようになる。子供達は難聴の友達も、健聴の友達ももつ権利をもっている。小さい時からおなじ仲間をもっていることが、自分の難聴を受入れ、肯定的に、積極的に活動していくことを可能にする。高校生、大学生、社会人となってからは本人達が交流の場をっくり、情報交換したり、レクリエーションや勉強会なども実施している。

難聴児のインテグレーションが、難聴の仲間達からのセグレゲーションにならないよう配慮していくことが、真のインテグレーションを成功させることにつながる。難聴という障害は、単にことばの障害ではない。成長と共に、その時期その時期で子供達はいろいろな問題を抱える。そのような長期的視点にたった支援やフォローアップの体制をっくることも重要である。

<相互理解のために>

健聴児・者に対して“聞こえにくい”という状態や状況に対する理解教育をしていくことが、インテグレーションを推進する上で、非常に重要である。健聴者は余りにも当たり前に聴覚に依存した生活をしているため、生活や生存のためにどのように聴覚を利用しているか、意識化することが難しい。専門家はもとより、両親、学校の先生、専門職を目指す学生は耳栓などを利用して、擬似難聴を体験するのも良い方法である。こうすることで、聴覚ということを改めて考えることができる。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

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