3.聴覚活用の意義と可能性

残存聴力の活用の成果はすでに多くの実践報告が示している。軽~中等度難聴はいうまでもなく、高度~重度の難聴でも補聴器の装用効果は高く、特に読話との併用効果に優れている。

<聴覚活用による効果>

  • 自分の声の調整
  • 自然なスピーチパターンの獲得
  • スピーチの受容能力の向上
  • スピーチによるコミュニケーシュン能力の向上
  • 言語(Speech andlanguage)の学習の促進
  • 学校、職場へのインテグレーションの促進
  • 外界との聴覚的交流による効果

Pollack(1973)3)が「聴覚機能を子供の人格に統合する」というHuizing博士の表現を用いたように、聴覚の活用は単にスピーチへの効果だけではない。人や物、事象、事態の変化などに対して聴覚的イメージをもつことができ、それを有意味に利用できる。また音楽、ラジオなど聴覚的な文化に触れたり、楽しんだりすることへの可能性を広げる。実際に100d B以上の難聴でも、楽器の演奏を楽しんだり、BGMを好む人もいる。

しかし聴覚活用はただ補聴器をしただけでは実現しない。Ling(1980)4)は聴覚清岡は formalな訓練によるより日常的な聴覚経験により向上すると述べた。聴覚を活用するということは、難聴児自身に聴きたいという気持や注意能力を育てることがまず基本にある。そのためには、人と人との間の共感関係を育て、愛着や信頼の気持を形成することが重要である。それが相手の関心に合わせて自分の注意を向け、相手の言葉を意味あるものとして認識する力となる。聴覚活用をはかるための基本的方針は次の通りである。

① 早期発見、早期指導の開始
② 補聴器の適正なフィッティング
③ 傾聴態度(Listening attitude)の形成
④ 聴覚一昔声的環境の整備
⑤ 音のイメージ(聴覚的概念)の形成
⑥ 聴覚学習の継続
⑦ 聴覚一昔声的フィードバック(Auditory-VOCalfeedback)の強化
⑧ スピーチの聴知覚の強化
⑨ 聴覚活用の有意味性の認識
⑲ 良いコミュニケーションパートナーの準備

投稿日:1997年3月1日 更新日:

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