2.ハビリテーション・教育の方法とその課題

現在日本では、聴覚一口話的アプローチ、キュードスピーチ、トータルコミュニケーション、スピーチに手話・指文字を併周した同時法、文字言語の利用等様々な方法が実施されている。どの方法を採用するかば指導機関や担当の先生の考えによって異なる。またどの方法が良いかは一律には決められるものでもなく、本来は子供に応じて考えられるべきことでもある。一般的には聾学校ではキュードスピーチを採用しているところが多く、通園施設やセンター・病院などでは聴覚一口話的アプローチが多い。

しかしながら現在では、どんな方法をとる場合でも補聴器による残存聴力の活用がすすめられている。また聴覚活用をはかる場合でも、初期段階では、自然な身振りや手話を取り入れる考えも増えてきている。これは難聴児の言語学習の問題を表面的な言語メディアの問題として捉えるのでなく、母子関係、子供の学習や発達の傾向、個性、環境など幅広い視点で捉え、言語学習を全体的な子供の発達の中に位置づける考え方の表れでもある。このような個々の状態やニーズに合わせた個別プログラムの準備が一つの課題である。

現在のもう一つのテーマは人工内耳である。日本の人工内耳装用者は1997年3月現在で約811名おり、10歳以下の子供はその5%程度である。まだ先天性の聴覚障害幼児への術例は少ないが、適応基準をはじめとし検討課題は多い。補聴器と同様に補聴手段の一つと考え、十分な聴覚活用指導が実施されることが必要である。一方で手話の問題がある。手話は聴覚障害者の重要なコミュニケーション手段である。最近では社会的にも手話への関心が増し、聴覚障害者も手話の利用が容易になってきている。だが伝統的な日本手話と日本語対応手話との間で対立も生まれている。今後ハビリテーションや教育の中に手話をどう取り入れていくか大きな課題である。

投稿日:1997年3月1日 更新日:

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